ビタミンＢ群の効果・効能２

前ページ、効果・効能１の続きです。

ビタミンＢ６

ビタミンＢ６は、月経前症候群（ＰＭＳ）を、解消する効果が知られています。ＰＭＳとは、月経が近づくと起こるイライラやけん怠感、腰痛、肩こりのことで、女性ホルモンのアンバランスが原因です。

また、ビタミンＢ６は体内の細胞、とりわけ皮膚の細胞に、アミノ酸を供給する効果があり、美しい肌を作るのに大切な役割りをしています。

食べ物から摂ったたんぱく質は、まずアミノ酸に分解され、次に体の材料となる”体たんぱく質”に作り変えられます。

そして、ビタミンＢ６が体たんぱく質を、いろいろ組み合わせながら、体の組織を作り上げていきます。

つまり、ビタミンＢ６のこの効果によって、頭の先から爪先まで、何の問題もなく常に新しく再生されているのです。

神経細胞同士の刺激は、”神経伝達物質”によって伝えられています。
ビタミンＢ６は、この神経伝達物質が、体内で作られるときに必要な栄養素で、神経を正常に保つ効果があります。

ビタミンＢ12は、正常な赤血球を作り、悪性貧血を予防する効果があります。体内に酸素を運ぶ赤血球は、鉄を材料にして作られますが、一人前の赤血球になるためには、ビタミンＢ12と葉酸が必要になります。

もし、ビタミンＢ12や葉酸が不足すると、通常より大きく異常な赤血球が出来てしまいます。これがいわゆる悪性貧血で、正式には”巨赤芽球性貧血”と呼ばれています。

ビタミンＢ12には”メラトニン”の分泌を整えて、睡眠のリズムを正常にする効果があります。

メラトニンとは、脳から分泌される睡眠を調整するホルモンで、周囲が明るくなると、分泌量が少なくなり目が覚めてきて、逆に、周囲が暗くなると分泌量が多くなり、眠くなります。

ビタミンＢ12は、体内の神経細胞の再生を助け、神経を正常に保つ効果もあります。これによって、脳からの命令を末梢神経まで正確に伝え、体を何の問題もなく動かすことができます。

ビタミンＢ12を大量に摂取すると、時差ボケや不眠症、神経症の腰痛などを改善する効果もあります。

体内のアルコールを分解する過程で、”アセトアルデヒド”という有害物質が出来て、これが分解されずに体内に残ると、二日酔いの原因になります。

ナイアシン（ビタミンＢ群）は、このアセトアルデヒドを分解する働きがあり、悪酔いや二日酔いを防ぐ効果があります。

アルコールを大量に飲むと、それに比例してナイアシンが消費されます。そしてナイアシンが不足した状態が長く続くと、ペラグラにかかり、胃腸障害や皮膚炎、精神障害などが起こることもあります。

ナイアシン（ビタミンＢ群）は、脂肪の代謝を良くして、血液中のコレステロールや中性脂肪を、減らす効果があります。

これによって、血液がサラサラになって血行がよくなり、高脂血症や動脈硬化を予防する効果が期待できます。

ナイアシンは、三大栄養素である、たんぱく質、糖質、脂質からエネルギーを作り出すときに必要なビタミンです。

ナイアシンを十分に摂ると、他のビタミンＢ群のＢ1やＢ２、Ｂ６などと同時に働いて、消化された食べ物から、効率的にエネルギーを作り出す効果が高まります。

人間が生きていくためには、糖質（炭水化物）や脂質から、エネルギーを作り出す必要があります。ご飯やめん類に多く含まれる糖質から、エネルギーを作り出すと”ピルビン酸”という物質ができます。

ピルビン酸は、そのまま体外に排出されず、肝臓で”カルボキシラーゼ”という酵素によって、再び糖質に再生されます。

ビオチン（ビタミンＢ群）は、このカルボキシラーゼの働きを助けて、エネルギーを効率的に利用する効果があります。わかりやすくいうと、燃えカスをリサイクルして、燃費をアップさせる効果といえます。

ビオチン（ビタミンＢ群）は、脱毛や白髪化、アトピー性皮膚炎などを、抑える効果もあります。アトピー性皮膚炎の主な原因は、”ヒスタミン”という物質の影響です。

ビオチンは、ヒスタミンを作ってしまう物質を体外に排出して、ヒスタミンそのものができるのを防ぐため、アトピー性皮膚炎の解消に効果があります。

最近は、皮膚炎の治療薬として、ビオチンを配合した薬もよく利用されています。