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サプリメントの効果と副作用ビタミンB群>不足による欠乏症1

ビタミンB群の不足による欠乏症1

ビタミンB群は全部で8種類あるので、それぞれの欠乏症について、簡潔にまとめました。

ビタミンB1

ウェルニッケ脳症

主にお酒を飲みすぎて、体内のビタミンB1が不足して起こる欠乏症です。ウェルニッケ脳症は、中枢神経の異常で起こる病気で、意識障害や眼球の運動まひ、歩行障害、けいれんなどの症状があります。

ビタミンB1の不足が長期化すると、症状が悪化して昏睡状態になったり、ひどい場合は、死亡することもあります。

脚気(かっけ)

ビタミンB1の不足によって起こる欠乏症には、脚気もあります。症状としては、息切れや動悸(どうき)、手足のしびれ、食欲不振、疲労感などがあります。最初は、脚気であることがわからず、医師の診察ではじめてわかることもあります。

脚気は、ビタミンB1の不足を解消すれば、比較的早く回復しますが、そのまま放置して重症になると、心臓が肥大化して心不全を起こすので、注意が必要です。

ビタミンB2

肥満、動脈硬化、老化

ビタミンB2は、脂質をエネルギーに替える役割りをしているので、不足すると体内に脂肪が貯まりやすくなります。このため、肥満やメタボの原因になります。

また、体内の活性酸素によって、細胞膜や血管が酸化され、”過酸化脂質”と呼ばれる物質ができます。この過酸化脂質は、細胞膜や血管を攻撃して、ダメージを与えるので、動脈硬化の原因になったり、老化を早めることがわかっています。

普段から、脂質が多い揚げ物や肉類をよく食べる方は、ビタミンB2が不足しないように気をつけましょう。

粘膜や皮膚の炎症

ビタミンB2が不足すると、皮膚や粘膜の再生が遅くなり、様々な欠乏症が起こります。

例えば、
  ・口唇炎(こうしんえん)・・・・唇がはれて赤くなる
  ・口内炎・・・・口の粘膜が細菌で侵され、ただれて痛みが起こる
  ・舌炎・・・・舌の表面が細菌で侵され、痛みや熱がでる
  ・眼けい炎・・・・まぶたの周辺が赤くはれる
  ・脂漏性(しろうせい)皮膚炎・・・・小鼻の脇に小さなできものができる

などの他に、眼球の疲労、眼の充血、口角炎など、皮膚や粘膜に関わる病気が多くなります。

子どもの成長障害

ビタミンB2は、細胞の合成や再生に不可欠の栄養素で、不足すると体の成長に支障が起きてきます。

特に、胎児や成長期の子どもは、細胞の活動が活発なので、ビタミンB2を十分に摂る必要があります。

パントテン酸

動脈硬化

パントテン酸(ビタミンB群)は、血液中の善玉コレステロールを増やし、血管に悪影響がある中性脂肪や悪玉コレステロールを、取り除く効果があります。

このため、パントテン酸が不足すると、血液中に老廃物が貯まり、血行を悪くして動脈硬化の原因になります。

ストレスによる体調不良

何かの原因でストレスがあると、それに対抗するために、副腎から副腎脂質ホルモンが分泌されます。

パントテン酸(ビタミンB群)は、このホルモンを合成するときに、必要なビタミンで、もし不足すると、ストレスに対抗できなくなり、いろいろな体の異常が起こってきます。

免疫力の低下

パントテン酸は、ウイルスや病原菌から体を守る”抗体”の合成を、助ける働きがあります。

このため、不足すると体の免疫力が低下して、カゼをひきやすくなったり、他の病気にかかりやすくなります。

毛髪のトラブル

パントテン酸が不足すると、比較的早く症状が現れるのが毛髪です。これは、パントテン酸は、たんぱく質の代謝を助ける働きがあり、摂取量の不足によって、毛髪にたんぱく質が十分供給されなくなるからです。

それで、髪が白くなったり(白髪化)、赤茶けたり、ツヤがなくなるなどの欠乏症が起こります。

葉酸

悪性貧血(巨赤芽球性貧血)

貧血で一番多いのが、鉄の不足による”鉄欠乏症”ですが、それ以外にも、葉酸やビタミンB12の不足による悪性貧血があります。

悪性貧血は、正常な赤血球と比べ、かなり大きな赤血球が出来てしまい、酸素を運ぶことが、ほとんどできません。

これが原因で、体内の細胞の酸素が不足して、少し運動しただけでも、すぐに疲労を感じることになります。それ以外にも、頭痛や息切れ、立ちくらみ、突然の動悸(どうき)などの症状があります。 

子どもの発育障害

葉酸(ビタミンB群)は、細胞のDNAを構成する”核酸”を、合成するときに必要なビタミンです。

DNAとは、遺伝子情報が書き込まれている物質で、これを元にして細胞が分裂して、新しい細胞を作っています。つまり、葉酸が不足して、DNAの合成が低下すると、細胞の再生が遅れてしまいます。

特に、お腹の胎児や成長期の子どもの場合は、細胞分裂が非常に盛んなので、葉酸を十分摂る必要があります。

不足した状態が長く続くと、体の成長障害だけでなく、脳神経の発達が遅れる可能性もあります。

皮膚や粘膜の病気

葉酸(ビタミンB群)は、たんぱく質の合成を助け、全身にたんぱく質を供給する役割りもしています。細胞の再生が早い皮膚や口、胃、腸などの粘膜では、多量のたんぱく質が必要になります。

もし葉酸が不足すると、これらの部分の代謝が遅れて、口内炎ができたり、胃や腸に潰瘍(かいよう)ができる場合もあります。

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