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サプリメントの効果と副作用ビタミンA>不足による欠乏症

ビタミンAの不足による欠乏症

ビタミンAは、皮膚や体の粘膜に関わる大切な栄養素です。もし不足すると、眼の障害、皮膚の免疫力の低下などの欠乏症や、ガンへの抵抗力が低下することが知られています。

夜盲症

夜盲症(やもうしょう)というのは、読んで字のごとく、周囲が暗くなると物がはっきり見えなくなることです。いわゆる”とりめ”といわれる病気で、ビタミンAの不足が主な原因です。

人間の眼は、夕方から夜間の暗いときに、物がはっきり見えるように、調整する働きが備わっています。これを”暗順応”といいます。

暗順応で必要になるのが、眼の網膜に含まれる”ロドプシン”とい物質です。ロドプシンは、光の刺激によって、退色と再生を繰り返して、脳に外部の光の刺激を伝えています。

ビタミンAは、このロドプシンを体内で合成するときに必要な栄養素で、ビタミンAが不足すると、当然のことながら網膜のロドプシンも不足します。

通常、周囲が明るいとロドプシンが少なくても、物をはっきり見ることができます。しかし、周囲が暗くなると、ロドプシンが増えないと物がはっきり見えません。

つまり、
  ビタミンAの不足
     ↓
  ロドプシンの不足
     ↓
  網膜が弱い光を感じることができない

ことによって、夜盲症になるわけです。

夜盲症は、夕方から夜間の暗いときだけ、視力が落ちる病気です。しかし、ビタミンAの不足が長期間続くと、眼の角膜にある上皮細胞が破壊され、角膜が乾燥して変形したり、できものが出来たりします。
さらに病状が進行すると、失明することもあります。

最近、暗がりで物がよく見えないと感じたときは、ビタミンAが不足していないか、食事の内容をチェックしてみましょう。

皮膚の免疫力の低下

ビタミンAが不足すると、”上皮細胞”と呼ばれる部分の機能が低下して、トラブルが起きます。

上皮細胞とは、体の一番表面にある細胞のことで、皮膚、口、鼻、内臓などの粘膜のことを指しています。

皮膚の場合は、ビタミンAの不足によって、細胞が角質化して、肌の乾燥やかさつき、肌荒れなどが起きます。

また、口や鼻、内臓の粘膜では、体内への病原菌やウイルスの侵入を、防ぐ力(免疫力)が低下してしまいます。上皮細胞は、人間の体と外部の境目にあり、外敵から体を守る大切な役割りをしています。

このため、ビタミンAが不足すると、上皮細胞のガードが弱くなり、口内炎や皮膚炎、風邪などにかかりやすくなります。

ガンへの抵抗力が低下

上記でも紹介しましたが、ビタミンAは体の粘膜の機能を活発にして、免疫力を高める効果があります。

これは、ガンに対しても言えることで、ビタミンAの不足で、ガンの発病率が高くなります。ある調査で、ビタミンAの摂取量が十分な人と、不足した人を比較した場合、肺ガンの発生率が5〜7倍も、違うという結果がでています。

なお、ビタミンAは大きく分けると、緑黄色野菜に含まれるβカロテンと、動物性食品に含まれるレチノールがあります。この2つの中で、ガンの予防効果が高いのは、βカロテンだとみられています。

しかし、なぜβカロテンの方が効果が高いのかは、まだ医学的にはっきり解明されていません。

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